危険なアイツと同居生活
ー唯sideー
蒼がいない間、あたしは亜美に色んな話をした。
蒼との出会い、
普段の生活、
蒼が手を骨折していること。
それを聞いて、亜美は楽しそうに相槌をうっていた。
「唯、本当に碧のこと好きなんだね」
そう言う亜美を、
「碧じゃないよ。蒼だよ」
あたしは訂正していた。
あたしは蒼が好き。
碧という人物も含め、蒼の全てが好き。
「ファンの間でも有名なんだ。
碧……いや、蒼君、超彼女想いだって」
そうなんだけど……
実際そうなんだけど、
亜美を含めたコアなファンって、どこまでプライベートを知っているのだろう。
何だかそれが怖かった。
あたしの顔が強張っていたのだろう。
「大丈夫だって。
唯を含め、今日のことは言わないから」
亜美はそう言っていた。
そんな中……
携帯を片手に戻ってくる蒼。
帽子から覗いている髪がきらきら輝いている。
蒼を見るだけでドキッとして、顔が熱くなるよ。