危険なアイツと同居生活
「何だかんだで楽しかったな、四人でいて」
蒼の声は震えている。
「しんどいこともたくさんあったよ。
だけど、優弥のおかげで俺は碧になれた。
嫌だったけど、楽しかった。
新しい自分、発見みたいな」
そう言って自虐的に笑う。
「俺、馬鹿だよね。
なんで今になって気付くんだろ」
蒼の頬を一筋の涙が伝う。
「俺……辞めたくない」
その身体が震えている。
「これからも四人で笑いたいよ」
顎まで伝った雫がぽとりと零れ落ちた。
あたしに背を向け涙を流す蒼。
あたしはただ蒼の身体を抱きしめるだけ。
気の利いた言葉もかけられない、何も出来ないあたしにすごく苛立つ。
あたしに出来るのはただ一つ。
……祈るだけだ。
どうか、Fが解散しませんように。
優弥さんが蒼の気持ちを受け取ってくれるように。
これからも、四人で笑っていられますように。
あたしは……
ずっと蒼を応援してる。