危険なアイツと同居生活
「こいつは返してもらう」
そう言って、強引に腕を引っ張られる。
振り返ると、蒼のアーモンド型の瞳と視線がぶつかってどきんとする。
蒼はあたしを見て、いたずらそうににっと笑う。
それで、恐怖も吹っ飛んでしまった。
「ちょっと、君!!」
おっさんが必死で追いかけてくる。
「返してくれ!
その娘は、宝石の原石だ」
「原石だから、おっさんなんかにやらねーよ」
蒼は楽しそうにそう言って舌を出す。
まるで無邪気な子供だ。
だけどあたしは、囚われの城から救い出された姫の気分。
蒼の手を握って走った。
蒼……
どうしてあたしを助けてくれたの?
あたし……
ますますあなたから離れられなくなる。