危険なアイツと同居生活
「もう~。
唯ちゃん、危ないよ?」
家に帰るなり、頬を膨らませる蒼。
ぷくっとなったその顔が、何だか愛しい。
「怖かったぁ!
蒼、ありがとうね」
そう言うと、蒼は満面の笑みで笑う。
この笑顔を独り占めしたい。
「だけど唯ちゃん、AVに出るの?
出たら俺、買うのになぁ」
「ばっ馬鹿!!」
「うそうそ」
そう言って蒼は再び顔をくしゃっとした。
そうだよね……
あたしがAVに出ようが、蒼には関係ない。
蒼はただ、あたしが嫌がっていたから助けてくれたんだ。
その事実が辛い。