危険なアイツと同居生活
「唯ちゃん、それ、本気でやってんの?」
蒼の静かな口調が怖い。
いつものほんわりした蒼より、クールでドSな碧に近い。
こんな時でさえ、碧を意識してしまう。
「ごめん、蒼。
あたし……」
離れたくない!
蒼に嫌われたくない!!
あたし、ただの同居人でいいから、このまま蒼の近くにいたい!!
あたしは……
もはや碧ではなくて、蒼のファンなのかもしれない。
……蒼が好きなのかもしれない。
「あたし……Fのファンなの。
碧、大好きだったの」
正直に言わなきゃ。
「だけど、蒼に会って……」
あたしの後ろで、蒼の静かな息遣いを感じる。
それがたまらなく愛しい。
「もう、クールな碧に会えなくてもいい。
あたしは……
こうやって、優しい蒼と笑っていたい」
あたしの身体は震えていた。
恥ずかしさと、蒼に嫌われる恐怖が入り混じり、あたしは必死でそれに耐えた。
神様……
どうか、あたしから蒼を取り上げないで。
せっかく見つけた小さな幸せなの。