危険なアイツと同居生活
「唯ちゃん……」
蒼の声が聞こえて、ふわっといい香りがした。
身体に何かが触れたと思った瞬間、ぎゅっときつく抱きしめられる。
身体に大きな電撃が走り、脳内に達する。
そして、脳幹までもが甘く痺れた。
ヤバイ……
息をするのさえ苦しい。
あたしの頭……
やっぱりおかしい。
「ほんッと可愛いね」
耳元で蒼が囁く。
その威力は、イヤホンから流れる碧の歌声の、数百倍破壊的だ。
身体が熱くなって、力が抜けて、おかしな気分になる。