危険なアイツと同居生活
「みんな、碧に夢中だね」
女子の嵐が通り過ぎたあと、あたしと共に取り残された芽衣が口を開く。
芽衣は見た目は華やかな女の子。
明るい巻き髪に、ミニスカート。
だけど、Fにはたいして興味がなさそうだった。
芽衣みたいな人に会うと、なぜか安心する。
ただ単に、あたしの独占欲が強いからかもしれないが。
「唯は碧、見にいかなくていいの?」
「うん」
あたしは頷く。
「彼だってきっと、プライベートまで干渉されたくないでしょ?」
それに、蒼の周りに女の子が集まっているのを見るのも辛い。
きっと蒼はあたしのこと、また見て見ぬふりするから。