約束
出会い
「春野~!またお呼びがかかってるから!」



ふと、声のほうを振り返ると教室の入り口に見たこともない女の子が、うつむきかげんで立っている。



<またかよ、めんどくせぇなぁ。>



俺はその名前も知らない女の子に近づいて、言った。




「なにかよう?」



その名前も知らない女の子は、うつむいたままで、真っ赤になった顔を隠しながら振り絞るような声で言った。




「すみません。ちょっとお話しがあるんですけど。」



「なに?」



「えっと、ここでは、どこかべつのところで。」



慌てて真っ赤な顔を上げて言う。


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