愛してるの言葉が欲しい

外は、桜が散って若葉の頃
24歳の私は、社会人3年目


結婚の予定もなくーーというより、男は暫く懲り懲りだけどーー、実家に帰る予定もない


やり辛い職場だって、色恋沙汰で辞めるわけにはいかないのだ



最初は気が重くてしょうがなかったあの人達との仕事も、気付けば気まずさなんてなくて


ーー案外、平気なもんだな


そう思って一人、エレベーターで笑みが漏れた


それもこれも、愚痴を聞いてくれてる百合ママと、弓月さんが醸し出す不思議なあの雰囲気…あの2人がいる空間が、時間をかけて私を癒してくれたからだ


.
< 13 / 16 >

この作品をシェア

pagetop