愛してるの言葉が欲しい


「…なんて、自業自得だよね!」


目尻の涙を拭って、ママに笑いかける


「自分も人様のモノに手ぇ出したんだし…、人のこと言えないわ」


目の前のウーロンハイを飲み干して、もう一度笑う



「、無理…しないでね?」


女にしては低くて、男にしては高い百合ママの声


その優しい声が心に染みたけど力強く頷いて微笑んだ



店から出て、終電のなくなった夜道を歩く


百合ママのお店からうちの最寄り駅までは一駅分


しかも私のマンションはその丁度、真ん中の辺り


多少酔ってても一人で帰れる距離だ


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