15歳年上の理科教師が好きなんです。
そう言った先生の顔が少し、ほんの少し曇った気がした。
あまり深くは聞かないでおこう。
「そうだ、僕からも質問していい?」
「はい、どうぞ。」
「瀬名さん、名前はなんていうの?」
「皐月です。」
「皐月、か。素敵な名前だね。」
名前を呼んでもらえただけで、宙へ浮かんでいってしまいそう。
「あぁ、階段気をつけて。これを降りて右側の部屋が準備室だよ。」
「ありがとうございます。わかりました。」