初恋練習
しばらくすると1人の男子が前に出てきた。
「ようこそ、我らの学校へ!俺は生徒会長の 一ノ瀬 智也だ。よろしく」
かっこいい…といろんなところからぼそぼそと声が聞こえてくる。
咲もその中の一人だった。
「今君たちに来てもらった理由はズバリ、生徒会の紹介のためなんだ。」
そういえば咲もなにか言ってたよなあ
とのんびり考えていた。
「さっきも言ったけど生徒会長はこの俺だよ。副会長は春野 カズキ君です。」
「あ…」
いつかの総太先輩を追いかけていた人だ。
「春野 カズキです。よろしくお願いします。」
行儀よくペコリと礼をした。
「次は幹部の人達だね、書記とかもこの幹部がやってくれているんだ。
まず手前から 佐久野 総太(さくの そうた)、
古橋 康(ふるはし れん)、
パソコンを持っているのが中村 翔(なかむら しょう)で、
瀬戸 亮太(せと りょうた)。
あと今は入院しているけど、 神楽 真(かぐら まこと)」
よろしく、と一人一人一礼していた。
「っうそ…佐久野先輩って」
貧乳生、色気のねぇおパンツちゃん。
どこが生徒会の幹部だよ
と奏は思っていた。
「いきなり全員の名前は覚えられないと思うけど…「その心配はないですよ〜?」廉…」
はい、と智也、カズキ、総太と順番になにかを渡しているが廉はにこにこしていてとてもゆるい。
渡していたものは名札だった。
首から下げる。
廉は真の分も、と二つ首に下げてどう?と新入生に聞くように胸を張っていた。
新入生もくすくす笑っているが総太はダセェと一度はつけたものの数秒で取り、体育館の床にタシィン!と叩きつけていた。
話がそれてしまったね、
と生徒会長の智也は自分の首から下げたものに苦笑いしながらまた説明をはじめた。
「生徒会に入っている人は学校の顔になる人達なんだ。自信がある人に入ってほしい。」
女子が入ろうかな?入りたい!と騒ぎ出したとき、智也は言った。
「入りたい人は面接あるから仮入部の期間中の放課後、生徒会室へどうぞ。」
ニコッと薄い笑いをして(奏にはそう見えた)
「あ、そうそう、生徒会に入る人は部活に入部できないからね。」
とスタスタと体育館の脇に戻ってしまった。
女子は諦めるか、やりたい!、もともと興味ありませんの3つに分かれていた。
男子も男子でそんな感じだ。