恋色花火
バン、とテーブルを叩いて立ち上がる。
隣、前後、それどころじゃないところから視線が集まる。
顔の狼狽は収まることなく、静かに座った。
「……何言ってるの」
「え、それ私の台詞なんだけど。
あんた隠してるつもりだったの? ダダ漏れだよ」
……顔の狼狽は収まることなく、より赤くなった。
「……まさか本人にも」
「ハイ、自白いただきましたー。
それは多分大丈夫でしょ。私はあんたと付き合い長いし。
それに……うん、まぁ」
はぐらかされた言葉の裏側が読み取れた。
……去年の花火大会のことだ。
さすがに言いにくかったのかな、あたしとナミの仲なんだからいまさら遠慮なんていらないのに。
アイスが染み込んだシューを小さく切って口に入れる。