恋色花火
「……それでユウヤ誘ったの?」
「だからそう言ってるじゃない」
あんたバカ? と、アイスの部分だけ器用に誘拐していく。
「だいたいさー……女の子と花火見てたくらいで失恋だなんて決めるのは早くない?」
「だって……肩組んで、頭撫でてたんだよ?」
「私もそれは見たって……でもさ、ホラあれかもしれないじゃん。
妹が彼氏に振られちゃって……とか」
「そんなベタなのあるわけないじゃん……」
隣の椅子に置いた紙袋の紐を意味もなくねじる。
「まぁ確かに、それは有り得ないけど。
でも……何もせずに諦めるよりいいと思うけどなー」
「何もせずにって……何をしろって言うのよ」
紙ナプキンを折って紙飛行機を作り始めるナミ。
「何って、告白しかないじゃな」
「バカじゃない?」
その飛行機に問答無用でガムシロをかける。