恋色花火
「……あんた何すんのよ」
「ごめん。手が滑った」
「どう手が滑ったらガムシロの蓋開けて器用に飛行機にかかるわけ」
「正面に座ってる女子が変な発言したときとかかな」
紙ナプキンを渡し、ジュースをストローで吸い上げる。
「どこが変な発言なの。
好きな人がいるなら、それを言葉にするのは当たり前じゃないの?」
「告白したこともないくせに……偉そうに」
こいつはいつも告白される立場。
そして全てを断ってきている。
男なんて、下らない生き物なんだそうだ。
「そういうあんたはしたことあるの?」
「…………」
……無いけど。
ユウヤはあたしがはじめて好きになった人だし。