恋色花火
「してみるだけしてみたら?
彼なら、レンのことどう思ってても紳士に対応してくれると思うよ」
「……友達に戻れなくなったら」
「だから、ユウヤ君なら大丈夫だっての。
ユウヤ君が態度をコロコロ変えるような男に見える?」
……そういうことをしないから、好きになったんだよ。
あたしは静かに首を振る。
「でしょ? ていうかあんたのが分かってたでしょ、そんなこと」
ナミは自慢げに飛行機を飛ばしてきた。
いつの間にもう一機作っていたんだろう。
「まぁ、無理強いはしないけどねーっ」
そう言って早々と席を立つ。
伝票を持って行ってくれた……と思ったら、あたしの目の前に置きなおされた。
「あたしお金ないってば! 割り勘でしょ!?」
ナミの後を追いかけながら……あたしは揺らいだ心を抑えようと必死だった。