恋色花火
「ねぇレンー。明日買い物行かない?
私浴衣買いたいんだけど」
「あぁ……そっか、お祭りの準備もそろそろしないと。
うん、あたしも買う」
明日から、夏休み。
いつもより少し長い先生の話を聞き流して、後ろの席のナミと話す。
先生に注意されてもお構いなしの、少し緩い小娘。
「何レン達も花火大会行くのー?」
「そりゃ、ここら辺でお祭りに行かないのなんて、二次オタヒキニートくらいでしょ」
「ナミ言い過ぎ」
不意に、隣の席のユウヤも話に混じってきて、一段と騒がしくなる。
ナミの辛辣な発言に笑いが起こる。
……"レン達も"、なんて。
ただ名前呼ばれただけなのに……急に暴れだす心臓が恨めしい。