恋色花火
オレンジケーキにパクつくナミの正面に座って、昨日の行動の意味を聞き出す。
あたしのシューアイスは死んでもあげないから。
「なんでってー……むしろ私のほうが不思議だよ。
私がレンだったら100パーセント誘うよ?」
「は……?」
「でもレンは意地っ張りのツンデレちゃんだから、私が誘ってあげたのー。
レンは私に感謝する立場にいるんだから」
アイスに刺さってた棒状のお菓子を抜き取られる。
だけどそんなのどうでもいいくらいに気になるナミの口ぶり。
「な……何言ってるのナミ。
なんであたしがユウヤ達を誘うわけ?」
「ユウヤ君達っていうか……ユウヤ君、っていうか。
一緒に花火見たいかなーって気を利かせてあげたんじゃん。
大丈夫、野暮な真似はしないから!」
野暮な真似はしない、と言いつつも、すっごい面白そうな顔をするナミ。
フォークがあたしの手から落下し、アイスにトスッと刺さる。