新宿のデカ
 警視庁捜査二課時代のように、細かくスケジュールが組まれているわけじゃないのだし、所轄の刑事課にいても疲れる。


 だが、やるべきことは山ほどあった。


 所轄は所轄で仕事がたくさんある。


 実際、疲れていても、疲れたなどとは言ってられないのだ。


 そう思い、刑事という仕事をずっと続けている。


 ふっと署内に六本木の事件のことが流れてきた。


 被害者の大久保拓生は被疑者と目される浅倉東と揉み合い、殺害されたと考えられている。


 動機は分からないにしても、通り魔なら頷けることだった。


 この手の事件は警視庁管内でいくらでもある。


 珍しくもなかった。


 事件というのは、日々出てくる。


 日本中で、だ。
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