新宿のデカ
第20章
     20
 月曜からずっと署に詰めていた。


 夏場なので、蒸し暑い。


 蒸されている。


 辺り一帯の熱に。


 俺も参っていた。


 半袖のワイシャツを着、上下ともスーツを着こなしてから、通勤する。


 刑事もいろいろいて、様々な人間たちを見てきた。


 昔、警視庁の捜査二課にいた頃、二課長の押村(おしむら)はとにかく徹底していたのである。


 課内は統制されていた。


 俺もあの時代、何度胃薬を飲んだか分からない。


 それぐらいハードだった。


 押村は今、警視庁の刑事部長だ。
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