新宿のデカ
 そう思えてならなかった。


 だが、俺も詮索が多いと感じる。


 自分でも分かるのだ。


 余計なことばかりに、気を回していると。


 ずっとそう思っていた。


 ちょうどその週の金曜の昼、島田たち同僚と仕出し屋の弁当を食べていると、島田が、


「トノさん、何か気にしてるの?」


 と訊いてくる。


「ああ、まあな。俺も生身の人間だし」


「何かあったら言ってよ。力になりたいし」


「シマさん、関東六王会のヤマは、組対が再捜査させられてるんだろ?」


「うん、それは知ってる。俺も樋井課長から聞かされた」


 島田がそう言って、弁当に箸を付け続けた。
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