新宿のデカ
「橋岡と折原はいずれ組対が逮捕状請求すると思うよ。まあ、根は深いけどね」


「アイツらも本当懲りないよな。単に自分たちの分け前を取られたくないんだけだろうけどね」


「ああ、俺もそう思う。ずっと新宿の街を荒らし続けるからな」


 島田がそう言って、コーヒーの入ったカップを手に取り、飲む。


 そして弁当の包みを被せてから、ごみ箱に捨て、デスクへと戻った。


 俺も思う。


 島田は俺とコンビを組んでいるのだが、相性がいい部分とそうじゃない部分が分かれていた。


 だが、基本的にちょうどいいのである。


 人間だから、葛藤はあった。


 お互いそうなのだ。


 島田も普段、そういった素振りを見せないのだし、はっきりしているのは、滅多に弱みを表に出さないことである。
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