新宿のデカ
「古賀の野郎、また地下活動してやがるのか?」


「ああ。あの教祖は、いろんな国から金で称号買ってるからな。信者から巻き上げた金使ってね。単なる便文教なんだし」
  

「公安は動くのか?」


「そうだね。公安部長の植島(うえしま)警視正が、部下の刑事たちに指示してるよ。取り締まるようにね」


「あの古賀便文ってヤツはとんでもないからな。ちょっと昔、都内の地下鉄にサリン撒いたカルト教団の教祖とまるで同じなんだし」


「ああ。俺も早く植島警視正が公安を動かすことを期待してるよ」
 

 島田がそう言って、ゆっくりと息をつく。


 ここに来て、意外だと思った。


 古賀便文及び月創会は、公安の捜査対象となっている。


 仮に公安警察が思うように動けない場合でも、警視庁の他の部署の刑事が応援に入るだろう。


 もちろん、警視庁が抱える案件は、関東六王会の件や警視庁広域指定七×二事件だけじ
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