新宿のデカ
「まあ、そうだな。……いずれ、公安があの教団を解体するだろうし」

 
 ――一日でも早くその日が来るといいですね。


「ああ。……君も所轄で頑張ってくれ」


 押村がそう言い、それから二言三言喋って、電話を切った。


 俺も受話器を置き、庶務をこなし続ける。


 いろいろと考えはあるのだが、今は封印しておく分もあった。


 思うのだ。


 何かを秘密にしておくだけでも、心は疲れてしまうと。


 必要なことを、淡々とこなし続ける。


 島田など仲間も多いのだが、その分、敵も多い。


 今でも松本清張のサスペンスは読んでいる。


 役に立たない知識でもいいと思っていた。


 個人的にファンなのだ。
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