新宿のデカ
 まあ、それが必然なのだが……。


 木曜の夕方、午後九時過ぎに署を出、地下鉄に乗って自宅へ戻る。


 暑かった。


 蒸されるような陽気だ。


 帰宅してから入浴し、ゆっくりし続ける。


 冷水シャワーを浴びた。


 新宿区内で、覚せい剤の密売が水面下で行われていることを知ったのは、翌日金曜の朝で、
組対五課関係者の熊切警部が電話してきたのである。


 電話先で、


「殿村警部、課内の捜査員を使い、パトロールを強化してください」


 と言ってきたので、


 ――ああ、分かった。


 と答えておいた。
< 254 / 810 >

この作品をシェア

pagetop