新宿のデカ
上げたりされている事実を知っているからだ。


 その日も一日ずっと勤務していた。
 

 お盆休みも警察は動く。


 絶えず情報提供は行われていた。


 ずっと課内に詰め続ける。


 暇はない。


 俺も島田も、過去の手書きの調書をデータベース化する作業に追われていた。


 昔のデカたちは、手書きで調書を付け続けていたからである。


 その日も昼、弁当が配られた。


 いつも通り、一つが五百円ぐらいの幕の内だ。


 弁当を受け取り、包みを開いて食べ始めた。


 食事時ぐらい、気を抜く。


 ずっと張りつめた感じでいるので。
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