新宿のデカ
新宿中央署の署長は神名川(かながわ)警視正である。
その日の昼過ぎ、俺と島田がパトロールに出ようとすると、神名川が内線電話で、殿村警部と島田警部補に会いたいと言ってきた。
それを聞き、
「参りますので」
と言って、署長室へ向かう。
何かと思って署長室に入っていったら、神名川は尾花監察官の件を聞いてきた。
「本庁もいろいろあるんだが、先日押村刑事部長から私に通達があった。尾花監察官が頻繁に本庁に出入りしているらしい」
「尾花監察官が……ですか?」
「ああ、私も理解できない。なぜ、尾花監察官が頻繁に監察官聴取を行うのかを、だ」
「それは事件が頻発しているからではないですか?」
俺の方が神名川にそう言うと、
「うん、実際のところはそうなんだ。本庁はフル稼働してる。それに関東六王会の件はカ
その日の昼過ぎ、俺と島田がパトロールに出ようとすると、神名川が内線電話で、殿村警部と島田警部補に会いたいと言ってきた。
それを聞き、
「参りますので」
と言って、署長室へ向かう。
何かと思って署長室に入っていったら、神名川は尾花監察官の件を聞いてきた。
「本庁もいろいろあるんだが、先日押村刑事部長から私に通達があった。尾花監察官が頻繁に本庁に出入りしているらしい」
「尾花監察官が……ですか?」
「ああ、私も理解できない。なぜ、尾花監察官が頻繁に監察官聴取を行うのかを、だ」
「それは事件が頻発しているからではないですか?」
俺の方が神名川にそう言うと、
「うん、実際のところはそうなんだ。本庁はフル稼働してる。それに関東六王会の件はカ