新宿のデカ
第42章
     42
 晴れたり、雨が降ったりの日が続く。


 土曜の非番の日、午前九時過ぎまで寝ていたのだが、起き出して、キッチンでコーヒーを一杯淹れた。


 そして飲んだ後、リビングへ向かう。


 気持ちは冴えなかった。


 今年の夏のように、豪雨による土砂災害などがひどい季節はなかったからだ。


 思っていた。


 被災した土地の人たちは、実にお気の毒だと。


 土曜は丸一日読書していた。


 読書量が多い。


 普通の人よりも読むのだ。


 特にサスペンスである。


 リアリティーがない話でも。
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