新宿のデカ
「でも、俺はその方がいいな。トノさんとまた仕事が出来れば」


「その代わり、俺たちにはたくさん仕事が回ってくるよ。こなしきれないぐらいね」


「ああ、分かるよ。警視庁にも未解決の案件がたくさんあるしな」
 

 島田がそう言って、幾分強気になった。


 俺も頷き、


「まあ、今から先のこと、あんまり心配しても仕方ないしね。適度に緊張する分はいいけど」


 と言う。


 島田は桜田門のことをほとんど知らないのだ。


 配属先がずっと所轄だったので。


 またあそこに戻るとなると、メンタル面で参る。


 だが、神名川は署長として、判断しているようだった。


 所轄の署長でも決断力はある。

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