新宿のデカ
 実際、俺も島田もコンビを組んで、あの街を歩く。


 大抵、デカが来ると、ガラの悪いヤクザも黙り込む。


 下手にこっちに手を出すと、公務執行妨害で現行犯逮捕されるからだ。


 九月も淡々と流れ、中旬が近づくと、冷えてくる。


 背広を着ていて、冷え込みを凌いでいた。


 警視庁公安部の刑事たちによって逮捕された、月創会の教祖である古賀便文は何も喋らないらしい。


 感じていた。


 あの人間も散々やりたい放題やってきて、垢が付いてるんだろうなと。


 カルトの教祖も、所詮その程度だ。


 仕出かした悪事を、全部曝け出してもらう必要がある。


 警察相手に。


 ちょうどその週の土曜、通常通り署に出勤し、パソコンを使って仕事する。

< 369 / 810 >

この作品をシェア

pagetop