新宿のデカ
 所轄にいても、警視庁の人間だけでなく、元締めである警察庁の人間たちもいろいろ嗅ぎ回っているだろう。


 まあ、ごみ溜めである月創会を大掃除するのに、チヨダが動いたのも分からないことはない。


 あの部署の人間たちは、ありとあらゆる情報が伏せられているからである。


 氏名や階級はおろか、普段の勤務状態まで。


 都内にも数か所、小高い山などがあるのだが、その頂上などからビルやマンションなどを盗聴しているようなこともある。


 複雑な警察官だった。


 いや、警察官というよりも、警察内では何でも屋だろう。


 嫌なことを一手に引き受けるという。


 あまり考えたことがなかった。


 そういった裏警察のことを。


 それに仮に俺や島田が警視庁に行っても、公安部に配属される可能性はゼロに近い。
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