新宿のデカ
 その週は非番の日がなかったからである。


 月曜の祭日から、昨日木曜までずっと仕事だった。


 さすがに署内はピリピリしている。


 胃腸の調子が悪かったり、体の節々が痛んだりしていた。


 だが、現役の刑事にとって、このぐらいのことは誰でもある。 


 淡々と所轄勤務が続く。


 午前八時二十分頃、署に着くと、島田が来ていて、


「おはよう、トノさん」


 と言ってきた。


「ああ、シマさん、おはよう。……確か俺、明日非番だよね?」


「うん。今週は休みなかったからな。明日はトノさんも俺も休みだよ」


 島田がそう言って、立ち上げていたパソコンのキーを叩き続ける。


 自分のデスクのパソコンの電源ボタンを押し、起動する合間にフロア隅のコーヒーメー
< 388 / 810 >

この作品をシェア

pagetop