新宿のデカ
第50章
     50
 金曜も午後九時過ぎに仕事を終え、署を出てから歩き出す。


 夜の新宿は相変わらず物騒だ。


 明日土曜は非番である。


 ゆっくりするつもりでいた。


 テレビドラマを見るか、サスペンス小説を読むかで。


 そしてその夜、帰宅途中にコンビニで買っていた弁当を持ち、自宅に帰り着いた。


 スーツ下にうっすらと汗を掻いていたので、シャワーを浴びて、洗い落としてしまう。


 俺も警官だが、やり方は地味だった。


 仕事が山積みされても、一つ一つ片付けていく。


 確かに鈍重かもしれない。


 だが、それでも大丈夫だった。


 案外、冷めたところもある。

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