新宿のデカ
 思った。


 蟠りがあるのだが、一々気にしても仕方ないと。


 脳裏にある雑念は拭い取れない。


 だが、仕事をすることで解消されるだろう。


 常に思っていた。


 頭の片隅に留めておきつつも、仕事に勤しもうと。


 そして課内庶務をこなし始める。


 人生長い。


 焦ることはなかった。


 疲れた時は気を抜く。


 まあ、上下ともスーツ姿だから、休憩時もワイシャツにスラックスだったが……。


 キーを叩き、手書きの調書を電子化していく。


 島田もずっとキーを叩いていた。
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