新宿のデカ
 そして九月も終わり、十月に入った。


 毎日、署に出勤する。


 合間に非番の日もあった。


 だが、基本的に平日は仕事の日が多い。


 思うのだ。


 島田とは息が合っているのだし、剣道場での鍛錬や、地下の射撃訓練場での訓練、それに逮捕術を覚える専用の道場で鍛錬を続けていた。


 刑事は庶務や捜査、パトロールなどの合間に所定の訓練をする。


 それに民間人からは署にたくさんの電話やファックス、メールなどが届く。


 交番の駐在だけじゃ、街は守りきれない。


 新宿はそんな場所だった。


 確かにバカな話に付き合う暇はない。


 俺も島田も、そして樋井や田之上など、同じ署の刑事課の人間たちは常にピリピリしている。
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