新宿のデカ
 午前八時二十分頃に署の刑事課へ入っていき、


「おはよう、シマさん」


 と言った。


「ああ、トノさん、おはよう。仕事始めてよ」


「うん。シマさんの方が返って上司みたいだね」


 そう言って笑う。


 島田が立ち上げていたパソコンのディスプレイに目を落とし、キーを叩き続ける。


 すでに課内庶務を始めているのだ。


 所轄の刑事にとって、こういった雑務は必須である。
 

 パソコンの電源ボタンを押し、起動する合間を縫って、フロア隅のコーヒーメーカーでコーヒーを一杯淹れた。


 そして飲んでから、キーを叩き始める。


 仕事を続けた。


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