新宿のデカ
 と言った。


「何かな?朝から」


 訝しみながらも、カバンをデスク脇に置き、パソコンの電源ボタンを押して立ち上げてから、署長室へ向かう。


 階段を上がり、部屋の前に着いて、扉をノックした。


「入りなさい」


「失礼します」


 一言言って、室内へ入っていく。


 入室して早々、尋ねた。


「何かご用件でしょうか?」


「ああ。……月創会の事件は公安と組対が連携して、逮捕済みのマル被たちから事情を聴いてる。俺もそこは肩の荷が下りた。……だがな、殿村、島田警部補と君が本庁に戻るのは本決まりだ。新年度から行ってもらうことになってる」


「それは決定事項でしょうか?」
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