新宿のデカ
 どんな田舎の警察署にも、パソコンぐらいあるのだし、刑事は使いこなす。


 思っていた。


 こういったことが大事だと。


 その日も昼間、仕出し屋の弁当を食べて、軽めの休憩を入れ、また庶務を続ける。

 
 さすがに警察官だから、過去にいた犯罪者のことはちゃんと覚えているのだ。


 冤罪事件は絶えないのだが、警察も徹底している。


 取調べの可視化はもちろん、犯人を自白させるのに、証言の強要などはしない。


 感じていた。


 乱暴なことは出来ないと。


 一所轄の刑事の目線から、警察幹部の人間たちを見ていると、どうも保身に走っているとしか思えない。


 実際、尾花や横川は焦っているだろう。


 示しが付かないからだ。
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