新宿のデカ
 警官も仕事は大変だ。


 何も事件捜査だけじゃないのだから……。


 そしてその週も駆け足で過ぎ去っていく。


 尾花監察官、横川検事総長、それに法相の松下陽一はあの殺人事件関連で繋がっていた。


 一つ一つの疑惑の点がやがては線になる時が、デカにとって、最も好ましいのである。


 どうやら、三者が三様に悪事を働いていたのは間違いなかった。


 だから、早く捕まえるべきだと思えたのである。


 特に横川と松下は法に携わっていながら、悪事を働いていて、どうにも許されない。


 国家の根幹を揺るがす人間たちだ。


 公僕でありながら。


 おそらく、検察庁も法務省も今は水面下で大慌てだろう。


 だが、特捜は着実に両者を立件する手筈を整えている。


 大事件になるだろうと思いながらも。
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