新宿のデカ
「うーん、部署によって違うからな。……まあ、規模は大きいし、単に所轄を拡大しただけだよ」


「そう?俺も務まるかどうか、心配でさ」


「心配要らないって。平常心でいればいいから」


 アドバイスになったかどうか、気掛かりだったが、島田は、


「うん、やってみるよ。所轄暮らしが長いから、本庁には憧れてるし」


 と言い、軽く頷いてみせた。


「気負わなくていいよ。そこそこで」


「ああ」


 相方も苦痛はあるようだ。


 いくらかなりとも。


 だが、コンビを組んでいる以上、しっかりやるつもりでいた。


 手を携えて。
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