新宿のデカ
 昼になり、仕出し屋が来て、課内の人間たちに弁当を配った。


 そして皆、食べ始める。


 思っていた。


 世の中、明るいことの一つや二つでもあるのかと。


 何かしら、閉塞的な時代だ。


 そう思わざるを得なかった。


 いつもそんなことを感じている。


 だが、もうそろそろ、羽野と衛藤を捕まえに行った刑事たちも、戻ってきておかしくない頃だ。


 気には掛けていた。


 取調べが上手くいっているのかと。


 それに日本に身柄を移されれば、警視庁内での取り調べもあるのだし……。


 ある意味、犯人二人も逃げられない。



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