新宿のデカ
 飲みながら、気分が高まるのを感じる。


 昼食後、また勤務を続けた。


 庶務も大事な仕事の一つだ。


 ずっとそう感じていた。


 いくら刑事課にいても、調書の整理や精査など、やるべき仕事はいくらでもある。


「トノさん」


「何?」


「まだ組対の人間たちに目立った動き、ないよね?」


「ああ。……俺は安原のことが心配なんだ。組対でも若手なんだし、これから組織を引っ張っていく人間だからね」


「まあ、トノさんの気持ちは分かるよ。……でも、安原も組対の一捜査員なんだし、必ず成果を出すと思う」


「そうなるのを願ってるけどね」


 そう言って軽く息をつき、淡々と作業の続きをこなす。
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