新宿のデカ
「うーん、ここは何があるか分からないから、俺も怖いよ」


 本音が漏れ出る。


 そして街のあちこちに立ち寄り、いろいろと調べ上げた。


 ゆっくりする間など、全くない。


 午後七時過ぎに署に戻り、樋井に、


「歌舞伎町の定時巡回終わりました」


 と言った。


「ああ、お疲れ様。……トノさんもシマさんも、仕事に区切りが付いたら帰っていいよ。明日は選挙だしな。また二課の人間たちがフル稼働するんだし」


 一礼し、デスクに戻る。


 パソコンに向かい、キーを叩いて残務をこなした。


 島田が、


「トノさん、明日投票所行くだろ?」
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