新宿のデカ
 それにしても警察の機密というのは、一体何なのだろうか?


 訝しんでいた。


 安原が掴んでいるという代物を。


 刑事として、警察社会で長年そこの水を飲み続けているから、尚更そうだった。


 気にならないといえば、ウソになる。


 そう思っていた。


 捜査の合間に、データベース化された過去の事件記録を読み返す。


 サラッと見ても、特に目立ったものは載ってない。


 ただ、関東六王会の組事務所や幹部宅に、組対関係者がカチコミに行ったことは記録として残されている。


 それを読み返すたびに、一連の事件は何かしら一本の線で繋がっている気がした。


 もちろん推測もある。


 おまけに、事態を静観することも必要だろうと思われた。
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