新宿のデカ
「本当?」


「うん。いよいよ事件が動くね。松下と秘書の櫻木、内田も逮捕されるし」


「事件は山場だな」


 そう言って、軽く息をつく。


 松下の国会内事務所に捜索が入るのは時間の問題だ。


 パソコンの電源ボタンを押し、起動させた。


 コーヒーを一杯淹れて、飲みながら、ディスプレイを見つめる。


 データベースのフォームを表示させた。


 キーを叩き、打ち込み始める。


 思っていた。


 調書はまだたくさんあると。


 片っ端から打ち込む必要があるのだ。


 感じていた。

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