新宿のデカ
 別に大したことはしてない。


 そう感じているのだった。


 ゆっくりする間はない。


 ずっとキーを叩く。


 その日も午前中から詰めていた。


 相変わらず、課内は騒がしい。


 電話やファックスが鳴り、コピー機やプリンターの作動する音が絶えず聞こえていた。


 雑音ばかりだ。


 だが、慣れている。


 そういったものに。


 気に掛けてないのだ。


 ほとんど。


 注意が作業へと向いている。
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