新宿のデカ
 そう思っていた。


 それに邪魔立てする輩は誰もいない。


 警察学校時代から、しっかり訓練してきた。


 デカとして、たくさんのことをしてきたのである。


 ずっと。


 島田も朝から晩までフロアに詰めていて、疲れていると思う。


「シマさん、昼飯食ったら休憩入れて、歌舞伎町にパトロールに行こう」


「うん、そうだね。あの街は仰々しいからな」


 確かにお互い感じていた。


 歌舞伎町は犯罪の巣窟だと、何度も。


 まあ、今に始まったことじゃない。


 ずっと昔からあの街はある。 


 都内一の歓楽街として、だ。
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