新宿のデカ
 働き詰めだと。


 一日経ち、火曜の朝、島田が言ってきた。


「トノさん、今日辺り、また歌舞伎町を巡回しようよ」


「ああ。最近、物騒だからな。あの街も」


 頷き、時間になるまで、課内で勤務し続ける。


 思っていた。


 新宿も変わらないなと。


 歓楽街は日本全国、どこでも危険地帯で、危なっかしい。


 その手の場所を見張るのが、警察官の仕事だ。


 ヤクザがまだいる。


 新宿という欲望の街にも。


 とにかく、俺たち刑事は危ない人間と対峙するのだ。


 命懸けである。
< 709 / 810 >

この作品をシェア

pagetop