新宿のデカ
「ああ、トノさん、おはよう」


 島田がパソコンに向かっていた。


 この男も愚直だな。


 そう思っていた。


 実際、島田は仕事で何もかもを解消している。


 ほとんど毎日顔を合わせるから、慣れてしまっていた。


「トノさん」


「何?」


「毎日、変わんないよね?新宿の街も」


「ああ。俺もそう思ってる。悪いヤツらはいるけどな」


 そう言って、パソコンの電源ボタンを押す。


 コーヒーメーカーでコーヒーを一杯淹れた。


 飲みながら、仕事を始める。
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