新宿のデカ
 寒いのだが、手合せすると、体が温まる。
 

 小一時間、体を動かし、鈍っていたのをシャキッとさせた。


 道場を出た後、シャワーを浴びて、汗を洗い流す。


 着替え終わり、フロアへ戻った。


 いつも思うのだ。


 年齢相応になってきたと。


 確かに加齢すれば、誰しもが衰える。


 俺だってそうだし、島田もいくら若いとはいえ、年齢を重ねている。


 刑事課に戻ると、樋井と署長の神名川が、何やら話していた。


「殿村」


「はい」


 神名川に呼ばれたので、答えた。


「島田を頼むぞ。本庁に行けば、それなりにいろいろあるしな」
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